中古車ガリバーの営業利益100億円を狙う為の新しい戦略は危険な気がする

半年くらいまえに、ガリバーインターナショナルの戦略は素晴らしいという記事を書きました。

 

ガリバーはご存知の通り中古車を扱うビジネスを行っていますが、買い取った車を一般のお客さんに売るのではなく、業者向けの中古車オークションに販売するというBtoB事業をメインとしています。

 

特徴として、オークション販売なので、車が売れ残るというリスクがありませんし、商品の回転率が相当高いです。

ただし、業者向けに出品するのでBtoCでユーザーに直接販売するより粗利益は低くなってしまいます

 

では、低い粗利益率をどうやって補っているのかというと、

店舗で販売する必要がないという事は、「店舗に車を展示する為のスペースもいらない」、「販売員を置かなくて済む」、「陸送もまとめて出来るので安く済む」と、ローコストオペレーションが可能です。

 

「BtoB特化で低い粗利⇔BtoCしないのでローコストオペレーション」という、まさにトレードオフの関係が成り立っています。

 

トレードオフは、良い戦略の条件であり、他社に真似されない理由にもなり得ます。

 

そして、ガリバーがすごいのは、深掘り具合も素晴らしい事です。

 

まず、例え粗利の高いBtoCで売れそうな中古車があっても、中古車オークションでの販売を徹底している点です。

(ガリバーも10日間だけは店頭に展示するが、従来の中古車販売業者は平均3ヶ月展示するのに比べると圧倒的に短い)

 

また、在庫リスクが無いので、買い取りも強気で出来ます。

買い取り数が多ければ、オークションでいくらで売れるかデータが蓄積されるし、一般客も「車を売るならガリバーでしょ!」となり、ガリバーにますます中古車が集まります。

 

そして仕上げは、自前の業者向け中古車オークションシステムも作ってしまいました。

 

 

つまり、ガリバーの戦略は、「買取専門」というポジショニングで、良い中古車を沢山仕入れる事、そしてそれを素早く売却することを核として練り上げられているのです。

 

素晴らしく、ブレがない。

良い戦略のお手本だな~と思っていました。

 

 

ところが、です。

こちらのニュースによると、「これからはBtoCへシフトする」と書いてありました。

 

※以下は記事から抜粋

卸売りモデルは新車市場の好不調に左右される弱点があった。

そこでガリバーはここ2~3年で、卸売りよりも粗利率の高い小売り事業を強化。買い取った車は、オークションに出品するまでの2週間、保管を兼ねて、「展示販売店舗」で一般消費者向けに展示・販売される。この期間に買い手がつけば小売りへ、買い手がつかなければ卸売りへ回すという仕組みだ。展示販売店は年間60店舗のペースで出店し、2020年2月末には371店舗(2016年2月末131店舗)まで増設する計画だ。

ファミリー層を顧客基盤に持つ、大規模ショッピングセンターへの出店も加速させている。アウトドア用品店やカフェを併設し、親子連れで楽しめるイベントを開催する。

※抜粋終わり

 

 

そうなんです。

「BtoB特化で低い粗利⇔BtoCしないのでローコストオペレーション」のトレードオフが成り立たなくなるのです。

 

「2週間店頭に置いて、売れなければオークションという流れ」は変えないので、リスクは無いように思えますが、「買取専門」という強みは失われ、戦力は分散してしまうのではないでしょうか。

 

また、販売店舗のブランド名もバラバラです。

ガリバー

 

 

 

ガリバーの直近の業績を表にしてみました。

ガリバー

 

BtoC店舗数を現在の131店舗から、20年までに371店舗にしていく中で、売上はもちろん増えていくでしょうが、営業利益はどうなっていくでしょうか。

 

「粗利の多いBtoCにシフトする」

一見すると正しい事のようですが、私は危険な気がしています。

 

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