例えば、以下のような例があったとします。(話を単純にするために人件費などは除く)
年間売上が1,000万円あったとします。
商品の原価は500万円でした。
商品運搬するトラックを100万円で買いました。
商品陳列する棚を100万円で買いました。
なので利益は1,000-500-100-100=300万円
税金で120万円払うので、
手元に残る税引後利益は180万円です。
と考えていたらこれは間違いです。
トラックと棚の200万円は、5年~10年かけて経費にしていくのです。
これがいわゆる減価償却という考え方です。
つまり、上記の例の正解はこうなります。
利益は1,000-500-20=480万円
税金で192万円払うので、
税引き後利益は288万円です。
しかし、トラックと棚の代金は経費に出来ないけど、すでに支払っているので
手元に残るお金は288-180万円で108万円になってしまいます。
え?
減価償却すると、利益が多く出るのは嬉しいけど、
手元に残るお金は少ないから、何か損してる気がする・・・
国が税収を増やす為の陰謀なのか?
こんな風に考えたこと、1度はありませんか?
私は何度も何度も何度もあります。
なぜ減価償却しなければいけないの?
どうしても納得がいかないので減価償却という考え方がなぜ出来たのか、調べてみました。
時は、大航海時代にさかのぼります。
大航海時代のビジネスって
冒険家が投資家からお金を集めて、そのお金で船を作って、人を集めて海を渡り、貿易して利益を出す。
利益が出たら、投資した人達と分配する。
といったビジネスモデルでした。
例えば5,000万円利益が出たら、自分を含めて投資家と分配する。
ところが冒険家は考えました。
「この舩5年位は使えるけど、修理も必要だし、その後はまた新しい船を造らないといけないぞ」
「修理したり新しい船を作るために、お金を残しておかないと」
「ということで5,000万円利益出たけど、500万円は次の船の積立で、4,500万円を皆で分配しましょうよ!」
・・・これが、減価償却という考え方が出来たキッカケだそうです。
この例では、確かに筋が通った制度ですよね。
ただ、キャッシュフローの面からすると、やはり一括償却の方が良いです。
しかし、日本の税法がそうなっている以上、少しでもキャッシュフローを良くする経営を意識して行っていかなければなりません。
いくら利益が出たのかも大切ですが、キャッシュフローも同じくらい大切なのです。
ムダな経費をかけずに、資産を持たずに、キャッシュフローを良くする。
今日言いたかった事はこれですね。