一度は読んでおくべき。良い戦略のお手本と言われる「サウスウエスト航空」の事例

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航空会社の経営は難しい

航空会社の環境は厳しいと言われています。

・航空機にかかる費用が巨額(リース費用、開発費用)

・ジェット燃料の原料である原油価格の変動が激しい

・従業員のストライキ

・もし墜落したら一気に信用を失う

上記のような厳しい環境の上にさらに”競合他社との競争”がある訳ですよ。

なんとなく「航空会社経営は難しそうだな」という事が分かると思います。

しかし、アメリカには40年以上黒字を継続しているサウスウエスト航空という企業があるんです。

その戦略は経営戦略本にもお手本としてよく登場するのですが、今日は改めてサウスウエスト航空の戦略をまとめてみました。

サウスウエスト航空の戦略

サウスウエスト航空の戦略を1言で表すならば「集中」です。

具体的に見ていきましょう。

短距離路線に集中している

サウスウエスト航空は平均飛行時間が約1時間、距離で言うと650Kmの路線に集中しています。(東京から広島くらいの距離)

イメージ的には高速バスのポジションを飛行機で奪いにいく感じですね。

これは大手航空会社が参入しないニッチな市場であると同時に、サウスウエスト航空が「独自の価値」を提供できる戦略の正体です。

サウスウエスト航空の「独自の価値」
高速バスより早く着くし、値段も飛行機の割に安い

「高速バスと値段もそんなに変わらないんだったら飛行機の方が良いな」ってなりますよね。

逆に言うと、それ以外の路線は全て捨てるということでもありますが、捨てるからこそ戦略は強くなります。

どんなものを捨てているのか?1つずつ見ていきましょう。

捨てるから戦略は強くなる

1.指定席を捨てた

サウスウエスト航空には指定席がありません。もちろんファーストクラスもありません。席は早いもの勝ち。

そうすることで、予約と搭乗手続きをシンプルにできますし、座席の希望を聞く必要もありません。

コストダウンが出来るのはもちろんなのですが、私はもう1つ強力なメリットが生まれていると思います。

それは「便数が増やせる」という点です。

利用する側からすると、予約しなくても行けば乗れますし、待ち時間がほとんどなく、しかも料金は安い。

航空会社からすると、どの便も空席がなくなるし、コストダウンも出来る。

指定席を捨てることで双方にメリットがあるのです。

「そもそも1時間しか乗らないんだから席はどうでもいいや」って人がほとんどでしょう。

2.航空機の種類を捨てた

サウスウエスト航空は使用する航空機をボーイング737という機種に集中しています。

パイロット、整備士、CAは、ボーイング737だけの事を知っていればいいので、教育を単純化できます。

また、使う部品も1機種分だけでいいので、整備コストや保守用部品の管理コストも抑えられます。

そして、スペシャリストが沢山いるので「離発着の準備が早い→飛行機の回転率が上がり顧客の待ち時間も減る」というメリットも生まれます。

1時間の距離しか飛ばない訳ですから、機種は1つで良いんです。

3.大きな空港を捨てた

サウスウエスト航空は他の航空会社があまり使わない、小さな空港しか使いません。そのような空港は”空港使用料”も安いので、コストダウンに繋がります。

そして小さな空港は街の市街地に近いというメリットもあります。

顧客からすると、街から近いし混み合わないので嬉しいですよね。

さらに、閉鎖寸前だった小さな空港が存続できるようになったという経済効果もあったそうですよ。

4.機内食を捨てた

今でこそLCCに乗ると機内食なしっていうのは当たり前ですが、これを最初に始めたのはサウスウエスト航空なのです。

そもそも1時間しか乗っていないのに食事はいりませんよね。

優れた戦略の条件とは?

ここまででサウスウエスト航空が捨てたもの(戦術)を見てきましたが、捨てる事が出来たのは、平均飛行時間が約1時間、距離で言うと650Kmの路線に集中するという戦略があるからです。

本当に優れた戦略は戦術と密接に結びつき、企業側だけでなく顧客にもメリットが生まれる素晴らしいものなのです。

例えば「機内食をやめる」などの戦術だけを真似しても決してうまくいくものではないのです。

サウスウエスト航空の事例が経営戦略の本によく登場するというのも納得ですね。

なぜサウスウエスト航空は真似されないのか?

ほとんどの経営戦略本では上記の部分までで終わっていて、「なぜサウスウエスト航空の戦略はマネ出来ないのか?」までは言及されていません。

真似されない理由。結論を先に書きますと「素晴らしい企業文化」があるからです。

サウスウエスト航空の企業文化とは?

上げだしたらキリがないし、部外者である私が全てを語れるはずもないので抜粋です。

【サウスウエスト航空 3つの価値観】

仕事は楽しくなければならない
仕事は遊びにもなりえる。
仕事を楽しもう。

仕事は大切
しかし、仕事を深刻に考えすぎてダメにしてはならない。

 社員は大切だ
人は、皆が違った価値をもっている。

サウスウエスト航空は、企業ポリシーとして「顧客第二主義」「従業員の満足第一主義」を掲げる。

個人の能力よりもチーム全体での成果に焦点を合わせる。

業務と私生活のバランスを維持した上で、従業員の共同体と家族的なつながりを維持するよう奨励している。

社員同士のみならず、社員の家族も含めたつながりを推奨しており、会社主催のパーティーには家族も招待される。

従業員の子供を定期的に職場に連れてくることが奨励されている。

飛行準備のための時間をどれだけ短縮できるか、F1のレースのピットインのクルーの動きをベンチマークして、スタッフが一丸となって取り組んだ。

CAも機内掃除を行いますし、地上職員はトイレ掃除と飲み物の補給をし、すべての準備を10分以内に仕上げてしまう。

定時出発するために、空港での荷物の積み込みを操縦士や客室乗務員が手伝うことは珍しくない。

また、パイロットがずっと窓の左右の景色を解説して観光案内してくれたり、客室乗務員がサウスウエスト航空を称える替え歌を熱唱したりして、乗客を楽しませてくれる。

サウスウエスト航空の従業員のほとんどが最も重要なのは利益率だと考えている

いくら素晴らしい戦略があったとしても、戦略を実行するのは人です。

こんなに素晴らしいスタッフを育てる素晴らしい企業文化がサウスウエスト航空にはあるんです。

サウスウエスト航空の企業文化まで真似をしなければ、サウスウエスト航空に勝つ事は出来ないのです。

そして企業文化なんてすぐに出来るものではありません。

つまりサウスウエスト航空の戦略はマネ出来ない。

”企業文化”って形がありませんから「それって強みなの?」と思われるかも知れませんが、私は戦略上これほど強力なものはないと思っています。

ですからドラフトでは良い企業文化を作る努力を続けているのです。

サウスウエスト航空の戦略が詳しく書いてあるおすすめの本。


〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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