ぐるなび vs ホットペッパー vs 食べログ
今日はグルメサイトの大手3社を比較します。
グルメ情報サイトの市場はほとんどがこの3社で占められており、サービス開始が早かった大手2社に対して「食べログ」は後発(2005年サービス開始)で、シェアに大きな差があります。

食べログだけが唯一シェア26.1%以下ですね。
そこで今日は後発の食べログにスポットを当てて、「いったいどのような差別化で市場に入り込んで行ったのか?」検証していきたいと思います。
競合2社がシェア26.1%を超えているのに対して「食べログ」のシェアは18.2%。
ですので、収益性はおそらく1番低いと思われます。
ちなみにシェア26.1%超の2強の1つである「ぐるなび」の営業利益は64億円(18.6%)と相当高いです。
実際の「食べログ」の営業利益率で比較してみようと思ったのですが、連結の営業利益だけしか出ていなかったので、ハッキリとした数字は分かりませんでした。
(食べログはカカクコムグループのサービス、ホットペッパーはリクルートグループです)
が、、、「食べログ」の収益性が低いであろうと思える理由があります。
■収益性が低いと思われる理由1
3社とも収益の柱は広告主である飲食店からの年間契約料なのですが、「食べログ」の契約料は競合に比べて価格が半額なのです。
やはり価格のインパクトは大きく、加盟店の伸びも勢いが違いますね。データ参照:https://newspicks.com/news/1551906/body/?ref=index
後発で市場に切り込もうと思うと、収益性を犠牲にした価格戦略が最も効果的なのでしょう。
その証拠に「食べログ」の売上成長率は40%を超えています。(ぐるなびは20%)
■収益性が低いと思われる理由2
これは「ぐるなび」との大きな違いなのですが、飲食店への営業へは自分達が行くのではなく、代理店に任せているという点です。
これはカカクコムが営業部隊を持っていないからなのでしょうが、営業代理店へ払う手数料は莫大です。
「カカクコムのコスト全体に対しても2割以上を占める大きな項目」との記述から計算すると約43億円。
売上の27%もが代理店へ払うコストになります。
さらに、後発のサービスは認知度、アクセスがありません。
集客の為に、多額の広告費もかかるでしょう。
以上2点が、「食べログ」が市場に割って入れた理由であり、収益性が低いであろうと推測する理由です。
余談ですが、「食べログ」独自の差別化として、有料会員というのがあります。
月額300円で検索が使いやすくなったりするのですが、目玉は会員限定のプレミアムクーポン。
会員数157万人なので、4.7億円の売上にはなりますが、クーポンの負担を「食べログ」自体もしているような気がしますので、収益にプラスになるのかは不明です。
「食べログ」が価格戦略を出来るのも、カカクコム本体の収益があるからだと思われます。(カカクコム全体の営業利益率は47%とオバケみたいな数値です)
こんな風に全く別の業界から価格戦略での参入もあり得るという事ですね。
そして、この3強がひしめくグルメサイト事業に参入した新しいサービスがあるのですが、どんなサービスなのか?
また明日書こうと思います。