「アート引越 vs サカイ引越」どうやってサカイはアートを追い抜いたのか?

激戦の引っ越し業界のTOP2社を比較

引っ越し業界でトップを争うアートとサカイですが、この2社とても良く似ているんですよ。

【創業時期】アート昭和43年 サカイ昭和46年

【営業拠点】アート133拠点 サカイ133拠点

しかし【売上】については差があります。

実は2010年まではアートの売上の方が上でした。しかし2011年からはサカイが売り上げを逆転し、それ以降どんどん差が広がっていきます。

単位:円 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
アート売上 493億 537億 562億 603億 629億 660億
サカイ売上 498億 546億 586億 648億 687億 708億

同じ事を同じくらいの規模でやっていたのに差が広がるという事は、何か違いがあるはずです。その違いは一体何なのか?調べてみました。

アートとサカイの違いとは?

まず最初の違いですが、差がつき始めた2011年度に動きがあります。両社とも東証1部に上場していたのですが、”アートは2011年に経営陣による公開買い付けで上場廃止という道を選択”しました。

その理由は「多角化」にあるのではないかと考えています。(上場してると多角化するのに説明が必要だから、めんどくさくてやめた?)

多角化っぷりはアートの方が上

「多角化には気をつけろ」という事をこのブログでも何度か書いていますが、アートは多角化戦略を採っています。

引っ越し事業の他に、「保育事業」「住宅事業」「物販事業」「輸入車販売事業」を行っています。ほとんど関連性がないような事業ですね。

一方のサカイは引っ越し事業の他に「物販事業」を行っています。

どちらも多角化はしていますが、アートの方が数は上ですね。

引っ越し事業の経常利益率の違い

「多角化vs集中」ですと経常利益率に差が出てくるはずです。

2016年度の業績で比較

アート 売上660億 経常46億(6.9%)

サカイ 売上708億 経常65億(9.2%)

アートの経常利益率も立派ですが、やはり引っ越しへ集中しているサカイの方が良い数字でした。

では多角化事業も含め、全体ではどうでしょうか?

企業全体の業績を比較

アート 売上980億 経常71億(7.3%)

サカイ 売上735億 経常70億(9.5%)

企業全体を比較するとアートの方が良いですが、しかし、これこそが多角化の罠。

私は長期的にみるとサカイの方が伸びると考えています。

サカイの方が伸びる理由とは?

引越の市場規模は4,500億円と言われていて、業界No.1のサカイでもシェアは”16.3%”。つまり分岐点である26.1%を超えている企業がまだありません。

アートは年を追うごとに、引っ越し事業以外での利益の割合が増えてきていますから、このままいくとサカイが1番初めに26.1%を獲得するはずです。

両社の利益に占める引越事業の割合

アート 65%

サカイ 93%

上記のように引越事業への集中度ではサカイの方が圧倒的に上です。

サカイはちゃんとシェアを意識しているのが決算資料からも分かります。

サカイがシェアを伸ばし26.1%に達した時、両社の業績の差は、きっと今以上に開いているでしょう。

最後に

アートはきっと”リスク分散”で多角化を選択したのだと思います。そして今のところ多角化は上手くいってるように見えます。(多角化の罠が怖いのは、最初は上手くいくって事)

「引っ越し」「保育事業」「住宅事業」「物販事業」「輸入車販売事業」に戦力を分散させたまま、いずれかでNo.1を獲る事が出来るでしょうか?

多角化はリスク分散しますが、同時に戦力も分散させる事になるのです。

戦略の基本は「戦力の集中」。アートの多角化戦略は、せめて引っ越し業界で圧倒的シェアNo.1を獲得してからやるべきだったと思うのです。

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