30年で市場規模3分の1の日本酒。なのに売上を100倍にした旭酒造の戦略が美しすぎる

前回のブログで業界No.1の「白鶴酒造」を調べると言っていたのですが、資料が少なく調査が進みませんでした。

その代わり、日本酒業界で急成長を続ける旭酒造という面白い企業を見つけました。

今でこそ業界8位ですが30年前の売上は1億円だったんです。

30年間で市場規模が3分の1に激減した環境の中で売上100倍ですからすごいですよね。

そんな訳で今日は「旭酒造」がどのようなやり方で快進撃を続けてきたのかを紹介します。

日本酒業界でも戦略のセオリーは同じ

旭酒造、快進撃の理由。それはこのブログで何度も成功の理由として取り上げている「商品の絞り込み」です。

前回の記事で日本酒を価格順で並べると以下のようになるという事を書きました。

本醸造 < 吟醸、純米 < 純米吟醸

しかしさらに上の「純米大吟醸」というランクがあるそうです。(原料の米を50%以上削って芯だけを残す)

で、旭酒造がやったのが最高ランクの「純米大吟醸」だけを作るという絞り込み。それを30年間続けてきた結果が「売上1億→108億」なのです。

商品を絞り込むことが強みに繋がる

以下は旭酒造、桜井社長のインタビューです。

「普通酒を地元で売っていたが、売れなかった。なぜ売れないかを突き詰めていくと、求められている酒とはこれまでのような、『酔うため、売るための酒』ではなく、『味わう酒』ではないのか。そのためには酒の質を追い掛けていくしかないんじゃないか、と思うようになった。それが大吟醸酒だった」

インタービュー参照:nippon.com

日本酒に求められる価値が変わってきた事を感じて、大吟醸に集中しようと決意したのです。

しかし大吟醸を作るには米の50%以上も削り取る高度な技術が必要で、当時の旭酒造にとってはとてつもない挑戦でした。6年間、試行錯誤や失敗が果てしなく続いたそうです。

その後、努力が実を結び獺祭(だっさい)という看板ブランドが誕生し徐々に売上が伸びていきます。

こうなると普通ならば品揃えを増やしたくなるところですが、旭酒造は大吟醸に集中を続けます。その結果として米を削る技術が他社よりも優れ、強みとなります。

そうやって生まれたのが「獺祭 磨き二割三分」

画像参照:旭酒造

米の77%を削り、残った23%を使うという非常にトンがった商品で、旭酒造が躍進を遂げるキッカケとなります。

大吟醸に集中することで、他社が真似できない技術とブランド力を手に入れたんですね。

従来の日本酒メーカーとはターゲットが違う。だから戦わない

米を77%も削ると、香りがよく甘みもあってフルーティーな日本酒になるそうで、従来の日本酒党からは「喉をすっと通って飲みごたえがない」との声もあるそうです。(実際に弊社の日本酒好きの女性も全く同じことを言ってました)

しかし逆に従来の日本酒の糠の臭みや雑味が残らない、後口の良さを気に入る人も多いそうです。

つまり旭酒造がターゲットとしているのは「日本酒を飲んだことのない人、嫌いな人、アルコール離れの激しい若者や女性層」という従来の日本酒メーカーとは全く違う層なんです。

商品を集中するから安定供給が可能となる

普通の日本酒メーカーは売り上げを伸ばす為に「本醸造 < 吟醸、純米 < 純米吟醸 < 純米大吟醸」といろんなランクの日本酒を作ります。

そうすると高級な純米大吟醸は生産量が少なく、すぐに売り切れ。中にはプレミアがついたりするものもあるそうです。

それも確かに戦略としては良いかも知れませんが、ユーザーにとっては喜ばしいことではありませんよね。

しかし旭酒造は純米大吟醸しか作りません。だからこそ安定供給が可能となり売上をどんどん伸ばしていけたのです。

美しすぎる旭酒造の戦略

こうやって旭酒造は敵のいない状態を作り出すことに成功した訳ですが、スタートは商品を絞り込んだ事です。

市場規模が3分の1に激減した環境の中で売上100倍ってとんでもないことですよ。

調べていくうちに私も「獺祭の磨き二割三分」が欲しくなってしまい、生まれて初めて自分で日本酒を買いました。

獺祭磨き二割三分 180ml(1,458円送料無料)

(amazonで普通に買えます。さすが安定供給)

旭酒造の次なる挑戦は海外だそうで、応援したくなりますね。

いろんな企業の事例をみてきましたが、ここまで綺麗な戦略ストーリーにはなかなかお目にかかれません。

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