FREETEL倒産の事例から学ぶ、大企業の壁

2014年にMVNO事業に参入して売上を100億円まで伸ばしたFREETELが2017年12月に民事再生法を申請しました。

急成長していたのに、何が原因だったのかを調べてみました。

MVNO事業の実情を分析してみよう

FREETELには他のMVNOには無い特徴がありました。

普通のMVNO企業ですと回線を販売するだけですが、FREETELは独自のスマホ本体を製造し販売もしていたんです。

その点が注目されてネットニュースでも話題になっており、私も3ヶ月ほど使いました。

スマホが海で水没したのでSIMフリーにするまでの話し

2016.07.25

売上の内訳は以下の通りです。

MVNO事業 43億円
端末製造販売 57億円

そして営業利益は53億の赤字

赤字の大部分はMVNO事業だと言われていますが、その実体をもう少し詳しく調べてみましょう。

MVNO業者が回線を販売できる仕組み

そもそも基地局を持たないMVNO業者がなぜ回線を販売できるのか?

それは、docomo、au、softbankの3大キャリアから回線を仕入れているからなんです。

実際にFREETELはdocomoから回線を仕入れていました。

この「仕入れている」というのがポイントで、原価率が70%くらいらしいです。(業界の人しか知らないような事なので、正確な情報ではありません)

しかも値段を3大キャリアの半額以下でサービスを提供する訳です。

客単価は低いし、粗利益率も低い。実は収益を出しにくいビジネスなのかも知れません。

その点を踏まえて数字をまとめてみます。

売上 43億円ー回線仕入れ30億円=粗利13億円

この粗利13億円から販管費(人件費、広告など)を引く訳ですが・・・

当初の目論見は、3大キャリアのような実店舗や手厚いサポート、広告を省くことで、販管費をかけない予定でした。

ところが、MVNO事業の赤字はおそらく40億円以上あったと推測します。

つまり実際の販管費は53億円以上かかっていたという事ですね。

実際のところ何に費用がかかったのか?

ちょっとここで「客単価」を調べてみましょう。

売上43億円で43.3万回線なので、1ユーザーあたりの年間売上は約1万円です。

月間に直すと830円の客単価。粗利だと250円。

効率の良いWEB広告を最高に活用したとして、1件獲得するのに3,000円程かかります。

さらにテレビCMやサポート人員まで含めると、少なく見積もっても1人の顧客獲得に8,000円の費用はかかります。

初回事務手数料で3,000円ほど回収出来たとして・・・

費用5,000円 ÷ 月の粗利250円 = 20ヶ月

20ヶ月後にようやく販促費の回収が出来る訳ですね。

つまり、新規回線数をどんどん増やしていこうとすればするほど、キャッシュフローは厳しくなり、赤字も膨らむ。

借り入れや投資をしてもらわないと、とてもキャッシュは追いつかなかったと思われます。

MVNO企業数は600社以上と言われており激戦区。当初の計画通り広告や実店舗、サポート体制をかけずに運営できる状況ではなかったのでしょう。

さらに大企業が追い討ちをかける

これだけ厳しい戦況の中で、SoftbankはY!mobile、auはUQmobileという格安ブランドで攻勢をかけてきます。

当然回線は自前ですから、粗利率はもっと高いでしょうし、豊富な資金もあります。

テレビCMもバンバンやってますよね。実店舗もどんどん出店してます。

大企業と同じ戦場で戦うことになってしまったら勝てない。

600以上あるMVNO企業もいずれ10社くらいになるのかも知れません。

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