2026.08.13

毎週火曜の朝6時38分に、AIが勝手に起きます。データベースを見に行って、先週1週間に何が起きたかをレポート1枚にまとめる。私はそれを受け取って、その週にやることを決める。この形を今週から始めました。
初回のレポートを読んで、いちばん面白かったのは中身の数字ではありませんでした。AIが自分で判断し、そのあと別のAIと突き合わせて、その案を自分で否定したところです。
反対する係を、別に立てています
うちのAIには「反対する係」がいます。誰かが結論を出したら、その結論を潰しにいくのが仕事です。社外取締役に近い役回りだと思ってください。
今回、経営の数字を見ている側のAIが、ある広告枠を止めて、うまくいっている広告枠に全額移す、という案を出しました。数字の見た目はひどいもので、お客様1人を集めるのに他の枠の20倍かかっていました。私が見ても、まあ止めようかなと思う。
そこに反対する係が入って、2つ言ってきました。ひとつは、その枠で集まったお客様がまだ1.8人しかいないこと。1.8人で「この枠はだめだ」と決めるのは、数として無理がある。もうひとつは、移し先に全額足すと予算が34%増えること。うちには「予算を急に増やすと広告の学習が崩れるので、動かすのは週15〜20%まで」という、自分たちで作ったルールがあります。案を出したAIが、そのルールを破りかけていました。
これで案は引っ込みました。差し替え後は「止めずに半分にして2週間見る」「移し先には15%まで」。こっちが正しい。
自分で出した案を、自分の中の別の係に潰される。この形が回り始めたのが、今週いちばんの収穫でした。
答えが出ることと、答えが正しいことは別です
AIを経営に入れると、答えは出ます。速いですし、私より根気強くデータを見ます。ただ、それだけだと、もっともらしい間違いがそのまま流れていきます。今回の広告の案がまさにそれでした。
数字は本物です。読み方も、一見あっています。足りなかったのは「その数字は何人ぶんか」と「それは自分たちのルールに反していないか」の2つだけでした。そしてこの2つは、案を出した本人には見えません。人でも同じだと思います。自分が作った案の弱点は、自分がいちばん最後に見つける。
潰す係を、同じ仕組みの中に置く
必要だったのは、出た答えを潰しにいく係を、同じ仕組みの中に別に立てておくことでした。反対する係が入り、別のAIの確認も通って、そこを抜けたものだけが「推奨」付きで私のところに上がってきます。意見が割れたものは、推奨なしで、両方の言い分のまま上がってきます。今週は6つのうち1つがそれでしたが、そのあと「利益でいくらになるのか」を計算し直させたら、推奨が付いて返ってきました。
うちは組織図の真ん中にAIを置くと決めています。今週やってみて分かったのは、真ん中に置くというのは「AIに答えを出させる」ことではない、ということです。答えを出させるだけなら、道具として脇に置いても同じですから。真ん中に置くというのは、答えが出たあとの手続きまで含めて任せることでした。
決めるのは人間です。そこは変えません。
ただ、決める前に「それ、本当ですか」と3回聞かれた状態で上がってくる。この違いは、思っていたより大きいです。