リッツカールトンの「戦略」はどうしてマネされないのか?

リッツカールトン

前回の続きです。

「最高の罠」に陥らない為には、

マネされないものを「価値」にするしかない。

もしくは、「価値」をマネされないようにするしかない。

非常に難しい問題ですが、

マネされない「価値」を提供している企業は確かに存在する。

例えば、なぜリッツカールトンのサービスはどこもマネできないのか?

というところで前回は終わりました。

今日は「なぜマネされないのか?」を調べてみようと思います。

ザ・リッツ・カールトンとは

世界規模でホテル・チェーンを展開するホテルブランドのひとつで、

2名で泊まろうと思うと、食事なしでも1泊10万円以上する高級ホテルです。

私はまだ行った事はないのですが、日本にも4カ所あります。

ザ・リッツ・カールトン大阪 1997年

ザ・リッツ・カールトン東京 2007年

ザ・リッツ・カールトン沖縄 2012年

ザ・リッツ・カールトン京都 2014年

リッツカールトンは高級ホテルですので、

最高の部屋、最高のベッド、最高のサービス等を宿泊客に提供してくれます。

しかし当然ながら、同じ価格帯で同等のサービスを提供するホテルは他にも沢山あるわけで、

「最高の罠」理論によると、いつかはコスト競争、価格競争に陥るはずです。

それなのに、どうしてリッツカールトンは長い歴史の中で、生き延びてこられたのでしょうか?

その理由であり、リッツカールトンの代名詞であるのが、「最高のサービス」です。

サービスのすばらしさは、リッツカールトンのサービスに関する本が沢山出てくるくらい有名で、

私も何冊か読んだ事がありますが、「感動するサービス」ってこういう事なんだなと非常に勉強になります。

この「最高のサービス」を競合にマネされない、何らかの理由があるに違いないのです

ここからが今日の本題。

リッツカールトンのサービスを誰もマネ出来ない理由とは?

これは有名な話しなのですが、従業員は常にサービスの基本精神が書かれている「クレド」というカードを携帯しているそうです。

このクレドこそが、リッツカールトンの「感動サービス」を生み出せる理由だ、と思われがちですが、私はそうじゃないと思います。

クレドに記されているものはあくまでも基本方針だけだし、もし「クレド」が理由であるならば、すぐに競合にマネされてしまうからです。

まず、私なりの答えを先に述べてしまうと、

リッツカールトンの「企業文化」があるからこそ、「感動サービス」は他社にマネされない。

その理由は、リッツカールトンの「企業文化」が生み出した、特に強力な2つの特徴を見てみると分かります。

・「ノーと言わないサービス」。従業員が自らの判断で「1日20万円までの決裁権」が認められている。

与えるのはすごく簡単ですが、どういう風に使えば良いか思いつかないです。そもそも「感動サービス」ってどうすれば出来るのか分かりません。

・従業員を採用する際、「独自の人材採用システム」を用い、経歴や経験などを重視せず素質を重視した面接を行うため、採用までに長期に渡って時間をかける。

ザ・リッツ・カールトンの社風などをきちんと理解して入社できるというメリットがある反面、時間とコストが掛かりすぎる事と、即戦力になりうる人材を確保しにくいというデメリットがあります。

いざマネしようと思っても、なかなかここまでは踏み込めないですよね。

では何がリッツカールトンの、強力な2つの特徴を可能とさせているのかと言うと、

「経験」であり、「伝統」であり、つまり「企業文化」なのです。

「企業文化」がが高まれば企業価値が向上し、自然と「良い人材」と「良い顧客」が集まるようになります。

そうすると、さらに安定した「感動サービス」の提供が可能になり、時間が経てば経つほど、競合はリッツカールトンのマネが出来なくなっていくのです。

日本で最初のリッツカールトン大阪が出来た時のインタビューを見つけました。

ザ・リッツ・カールトン大阪では、開業にあたって約600億円にのぼる大規模な設備投資を行った。顧客の舌を満足させられるよう、腕利きのシェフもそろえた。

ただし、林田氏によると同ホテルのこだわりは、あくまでも従業員のサービスにあるという。

では、なぜサービスにこだわるのか。その理由は明解だ。

「ホテルは何度も利用してもらうもの。設備や料理でも確かに感動してもらえるが、利用を重ねると感動が薄れてしまう。だが、サービスにおいては感動が薄れることはない」

ザ・リッツ・カールトンでは、サービスによって他のホテルと差別化を図るとともに、満足以上の「感動」を与えられるサービスを実現すべく、スタッフ教育を徹底している。

「商品の差別化を図ることが難しい他の業界でも、顧客サービスの重要性は共通するはず」

このインタビューは、リッツカールトンの「企業文化」が従業員に浸透しているという事を証明していますよね。

また、数字の面からもリッツカールトンの「強さ」を表すことが出来ます。

他のホテルの多くがサービス料を10%と設定しているのに対して、リッツカールトンでは13%と高めに設定している。

300床クラスのホテルの多くは年間売上高が約70億円程度に留まっているのに対して、292床の同ホテルでは実に120億円。

リッツカールトンの事例は、以前書いたディズニーランドの事例と良く似ていますね。

「企業文化」ってなんだか曖昧な感じで戦略とは関係なさそうですが、それはとんでもない誤解です。

戦略を作る際は、「独自の価値」を考えたら終わりではなく、他社にマネされないようにするところまで考えないといけません。

私達ドラフトの戦略を深める為の、良い事例となりました。

リッツカールトン

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