ラクスルvsプリントパック それぞれの戦略を比較してみた

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アンケートにこんな質問を頂きました。

2016.02.16 ネット印刷業界について取り上げられてましたが、現在版を。

ネット印刷業界でバチバチの2社ですが、戦力を集中させている所は違うんです。

2016.02.16

前回から2年経ってますので私もその後が気になり取り上げさせて頂きました。

前回のおさらい

早い安いのプリントパック

全国に工場を9個も持ち、データチェックから印刷、加工、出荷までのすべてを自社内で行う事を可能としている。

自社一貫印刷で早く安いのがプリントパックの強みですね。

その結果として「安い、早い」という強みが生まれるのです。

印刷の前後をサポートするラクスル

提携する印刷工場の非稼働時間をシェアリングして印刷を行うのがラクスルの強みです。

2014年に約14億5,000万円の資金調達を実施し、2015年にも第三者割当増資により40億円の資金調達を実施。

調達した資金を何に使ったのか?

印刷工場を買収、もしくは建設しプリントパックを追撃するのかと思いきやラクスルはそうはしませんでした。

何に資金を使うのかというと、チラシデザインの代行やポスティングといった「印刷の前後もサポートする」プラットフォーム構築に資金を投入しました

印刷工場を持つだけなら、先行者であるプリントパックと競合になるので差別化した訳です。

 

「両社は同じネット印刷会社だけど強みは違うよね」

というところで前回は終わった訳です。

あれから2年。

ラクスルは2016年8月に20.5億円の資金を追加で調達。2018年5月には東証マザーズに上場しました。

現在のラクスルとプリントパックはどうなっているのか?調べてみました。

ラクスルとプリントパックの現状

まずラクスルの業績推移です。

2016年 2017年 2018年
売上 51億円 77億円 112億円
営利 -14億円 -11億円 1億円

2018年に急に黒字化していますが、これは広告宣伝費を減らしたからです。

広告費の推移

2016年 2017年 2018年
広告費 12.4億円 14.8億円 8.6億円
売上比 24.3% 19.2% 7.7%

上場するタイミングで投資フェーズから回収フェーズに移行したのです。

ラクスルの売上を分解しよう

ラクスルは主に3つの事業があります。

  1. オンライン印刷事業
  2. 広告代理店(ネット以外)
  3. ハコベル(物流事業)
※ネット以外の広告とは?
新聞折込、ポステイング、ダイレクトメール、駅ナカポスター、TVCMなど印刷を絡めた広告代理店事業。

※ハコベルとは?
小型中型トラックのシェアリングサービス。

オンライン印刷事業以外にもいろいろやってるんですね。

それぞれの構成比率はこうなっています。

ラクスルの売上構成

印刷:86億円(77%)
広告:19.9億円(17.8%)
運送 :5.4億円(4.6%)
その他:670万円(0.6%)

国内オンライン印刷市場920億円(EC化率3%なのでラクスルの本業であるオンライン印刷市場でのシェアは9.3%です。

業績を伸ばすなら業界シェアNo.1を穫れる領域で戦うのがセオリー。

続いてオンライン印刷市場でのラクスルのシェアを調べてみましょう。

オンライン印刷市場のシェアNo.1は?

プリントパックの業績を調べてみました。

2015年の売上206億円

2018年の売上308億円

順調に売上を伸ばしており、オンライン印刷市場でのシェアは33.5%

シェアNo.1です。

ではラクスルは2位なのかというと、実は業界2位には「グラフィック」という企業があり売上高は200億円を超えています。

つまりラクスルは業界3位ということですね。

ランチェスター戦略の基本に則るなら、1位のプリントパックとは収益性で9倍の違いがあると思われます。

業績に悩んでいる方はぜひ読んで欲しい。改めてランチェスター戦略の基本を書きます。

2019.02.21

まとめ

つまりラクスルは広告代理店事業や物流事業に戦力を分散させてる訳ですよ。

業界1位と2位が全戦力をオンライン印刷事業に集中させてるのに。

しかも2019年の第1四半期は広告宣伝費を前年度よりもさらに減らしてます。

今までの強気の姿勢からは一転、回収フェーズと記載していますがこのままではシェアの差は広がるばかりになるでしょう。

このまま「プリントパック」と「グラフィック」がシェアを拡大するとラクスルの弱点が浮き彫りになるんです。

ラクスルの弱点とは?

提携する印刷工場の非稼働時間をシェアリングするのがラクスルの強みですが、これって弱点でもあるんです。

自分で工場を抱える「プリントパック」や「グラフィック」には価格、早さでは勝てないでしょう。

また、工場から提携を解消されるリスク、提携工場が競合に買収されるリスクだってある。

ラクスルもそこに気づいたからなのか印刷機を自分たちでも持ち始めています。(「機械及び装置」「工具、器具及び備品」「リース資産」を7.8億円保有している)

 

広告費を減らした事もあり前年比で利益は増えているので株価も上がってますが、価格、早さ以外でもっと差別化しないとオンライン印刷事業ではもう勝てないというのが私の見解です。

あと、物流シェアリングの「ハコベル」ですがこちらも競合がいて、戦力を分散させたままで勝てるのかは不明です。

ここらへんは宮木商事の宮木社長が分かりやすくまとめてくれてます。

以上です。

 

アンケートで素晴らしいネタを提供してくれた方、ありがとうございました!

引き続きブログのネタを募集しています。

オラに知恵を分けてくれ!

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