「選択と集中」の成功例だったシャープ。なぜ業績は悪くなった?後編

液晶テレビに集中する事で2001年~2008年まで好業績が続いたシャープ。

表

しかし、2009年からイオンや海外勢が半額以下の液晶テレビを発売した事で業績に陰りが見えてきます。

安さの「価格戦略」に対して、シャープは大型で高品質の高価格帯商品という「他にない戦略」で対抗しますが、業績は回復しませんでした。

 

後編ではその理由について考えてみたいと思います。(前編はコチラ

 

 

理由① 技術は流出していた

シャープは大型で高品質の高価格帯商品に集中するという「他にない戦略をとった」とありますが、格安液晶テレビも同じように大型化してきたし、品質も高水準でした。

つまり「他にない」の状態が構築できていなかったのです。

ではどうして他社もすぐに大型化、高水準の品質を実現出来たのでしょうか?

 

前半で「亀山工場で液晶パネルの開発・生産も自社で行っているのでマネされない」と書きましたが、実は技術が流出していたのです。

 

以前何かの本で読んだのですが当時、亀山工場の周りには産業スパイが沢山いたそうです。

まるで映画のような話ですが、産業スパイは亀山工場に搬入されてくる液晶を作る設備を調べたそうです。

 

設備のメーカーが分かれば、同じ設備が手に入る。

設備の台数が分かれば、大体の生産能力は分かる。

といった具合に、ライバルも同等レベルの液晶が、より多く低価格で作れるようになっていったのです。

 

理由② モジュール化が進んだ

スマートフォンやPCを始めとした最近の家電や電子機器って、実はパーツさえ集めれば簡単に組み立てる事が出来ます。

難しい言葉を使うと「モジュール化」が進んでいるのです。

(1つの複雑なシステムを、相互依存の強い部品同士で構成するのではなく、交換可能な独立した機能を持つ部品同士で構成しようとすること)

 

つまり部品と設計書さえあれば誰でも液晶テレビは作れるのです。

 

価格戦略をとったライバルがまさにそうでした。

設計だけ自社で行い、組み立ては海外のEMS(電子機器受託製造)に任せる。

液晶などの部品も海外で安く調達する(しかもシャープと同等レベル)

 

このようにして大型かつ高品質の液晶テレビは作られたのです。

 

ちなみにandroidのスマートフォンはいろんなメーカーから出ていますよね。

これも「モジュール化」が進んだからなのです。

(iPhoneがAppleしか作れないのはiOSをオープンにしていないから)

 

 

理由③ 投資した工場の稼働率が上がらない

実は2009年に、亀山工場の規模を超える「堺工場」が完成しました。

しかし、価格競争に巻き込まれた液晶テレビは生産台数が伸びず、せっかく作った工場の稼働率は低いままでした。

 

4,200億円という巨額の投資が思うように収益を上げられなかった。

この事実が収益に大きな影響を及ぼしていたと考えられます。

 

その後、工場の稼働率を上げるべくテレビ事業からは撤退し、液晶パネルの他社供給に踏み切りますが、供給先の受注も安定せず上手くはいきませんでした。

 

最後に

堺工場への投資ではなく、液晶を作る設備から自社で開発していたら技術の流出が無かったかも・・・

モジュール化という時代の流れにのって組み立ては委託していれば・・・

結果を知った後でならばいくらでも、こうしておけば・・・というアイデイアは出せるかも知れません。

 

当時シャープの経営判断をしていたのは経験もある優秀な方々だったでしょう。

しかし、上記のような理由で業績は悪化してしまいました。

 

シャープの事例が教えてくれたのは「集中の法則」を守っていたにも関わらず業績が悪くなる。

1つの事業だけをただ続ければ良いのではなく、時代の流れもしっかりと視野に入れて判断しないといけない。

せっかく作り上げた強みがマネされない為の深掘りを常に意識しておかなければならない。

以上の事を教訓として学ぶことが出来ます。

 

だからこそ業界にとらわれず色んなニュースを見ておかなければいけないし、ずっと勉強は続けばければならないなと、背筋が伸びる思いでこのブログを書きました。

 

そういった意味で、今後ホンハイ傘下のもとでどのような再建が行われるのかは注目度が高いです。

オシャレには戦略が必要です
40代以上のオシャレに悩む男性へ

私はこれまで様々な企業を調査して成功する企業には共通点、いわば“成功の戦略”がある事に気が付きました。それはファッションも同じで、“オシャレには共通点”があるのです。

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