コメダ珈琲の直近2期の業績
2015:売上192億 営利59億
2016:売上217億 営利66億
福井にもコメダ珈琲はありますし行った事もありますが、まさかこんなに高収益体制の会社だとは知らなかったです。
普通の珈琲屋さんと何が違うのか?その理由を調べてみました。
まずスターバックスやドトールとは何が違うのかと言うと、両社が「セルフ型」なのに対してコメダ珈琲は「フルサービス型」です。テ―ブルに店員が注文を取りに来たうえで、商品を提供するという昔ながらの喫茶店スタイルですね。
喫茶店が減っていく中で、コメダ珈琲はどんな事をやっているのでしょうか?
コメダ珈琲のターゲット
まずコメダはターゲットが明確で今後人口が増加する高齢者を狙っています。このターゲットがブレる事なく全てが整っているのです。
まず立地ですが、高齢者が多い郊外の住宅街に店舗を出します。郊外だと広めの店舗面積を安く確保でき、ゆったりした空間も確保出来るので、お年寄りの方にはありがたいですよね。
そして店内の空間を広く確保する為に、厨房もすごく小さいんだそうです。

なぜ小さい厨房でいいのか?
ここもすごく計算されていて、まずコーヒーの焙煎抽出は工場で一括処理、店内では加熱のみなんだそうです。
そして食事メニューも100品あまりあるそうですが、なんと使用食材は自家製のパンを中心に20品しか使わないそうです。食材20品でメニュー100品という事は使いまわしと言ったらあれですが、徹底したローコスト作戦ですよね。
・難しい調理も必要ないメニューなので、厨房は小さくて済む
・材料の種類が少なくて済むのでロスが出ない
・簡単なのでパートさんでも直ぐに食事メニューを提供できる
・広い店内スペースを確保出来る
一石四鳥な訳です。
そしてそれだけでなく、最大のメリットがもう1つあります。
コメダの683店のうち、直営は11店のみ
そうなんです。オペレーションが簡単なので、フランチャイズ化しやすいんですね。その証拠に全店舗中98%がフランチャイズです。
そして「ロイヤリティも圧倒的に安い」というのもフランチャイズが増えやすい理由なのでしょう。
普通はフランチャイズというと「売り上げの〇%を払う」という形態ですが、コメダの場合は1席あたり月額1,500 円と固定なのです。(例えば100席なら毎月15万円払う)
つまりコメダ珈琲はフランチャイズ料ではあまり儲からないという訳ですね。
100席のお店が680店あったとすると1年のロイヤリティは12億円。コメダ全体の売上の6%もありません。
じゃあコメダ珈琲はどうやって217億円もの売上を作っているのでしょうか?
収益モデルが普通の珈琲店と全く違う
先ほども書きましたが、珈琲はコメダの工場で一括焙煎して、お店はそれを仕入れて温めるだけという仕組みになっているのです。
つまりコメダ本体は珈琲やパンをフランチャイズに卸売りして、売り上げを立てているのです。(きっとそこそこいい値段で卸すのではないでしょうか)
しかも珈琲と食材20品しかない訳ですから、とんでもなく絞り込んでますよ。
こうなってくるとコメダ珈琲はもはや、ローコスト高収益型の食品会社ですね。
コメダの実態は普通の珈琲屋さんとはターゲットも収益モデルも全然違う企業だったのです。
ターゲット選定、立地、ローコストオペレーション、そしてフランチャイズと本当に良く考えられた戦略だと思いますね。
しかし、それをマネする「星乃珈琲」というのが出てきています。
機会がったらこの星乃珈琲も調べてみようと思います。